2025年3月上旬、埼玉県小鹿野町の四阿屋山にハイキングに行ってきました。
花を目的に山に登るようになってから、ずっとあこがれていたセツブンソウ(節分草)。毎年、見に行きたいと思いながらも、花の時期を逃して実現できずにいました。
そんなセツブンソウにやっと会うことができた今回のハイキング。
本当は節分草園が開園しているうちに記録をアップしたかったのですが、日々の生活が急に慌ただしくなり、遅くなってしまいました。
タイトルの通り、四阿屋山登山としては不完全燃焼なのですが、晴天に恵まれてセツブンソウ以外の花も楽しめ、気持ちのいい春の山歩きとなりました。
来シーズン以降の参考になるように、あこがれの花に会えた記録をアクセス情報とともにご紹介します!
この記事はこんな方におすすめします!
- 公共交通機関利用で山に登りたい
- 四阿屋山へのアクセス方法を知りたい
- 花が好き
- セツブンソウ、ロウバイ、フクジュソウ、桜を楽しみたい
- 四阿屋山に登ってみたい、鎖場の情報がほしい
今回のコース
「あずまやさん」と言えば、去年の秋に登った日本百名山の「四阿山」が頭に浮かびます。いずれも、山登りをしなかったら絶対読めない山名の一つでしょう。
今回登る「四阿屋山」は秩父の山です。この辺りに登りに来るのは久しぶり。
薬師の湯に来たのは、両神山を登ったとき以来です。両神山ではテント泊とアカヤシオを楽しみ、下山後に両神温泉薬師の湯に入った思い出があります。

今回は薬師の湯バス停から歩き始め、堂上節分草園でセツブンソウを楽しみ、つつじ新道、福寿草園を通って薬師コースで薬師の湯に戻るコースです。
四阿屋山は難易度高めの鎖場があることで知られています。
今まで出会ってきた鎖場と言えば、山梨県の十二ケ岳、栃木県の古賀志山、神奈川県の大山三峰山などがありますが、これらの山では多少怖さを感じることがある程度で、楽しく鎖場を通ることができていました。↓古賀志山の鎖場

しかし、あくまでも主観ですが、四阿屋山は垂直で、難易度が最も高いように感じました。慎重派で「無理をしない」がモットーの私と同行者は、試してみた結果、今回の鎖場は回避することに。

ということで、山頂を目指すことをあきらめて花を楽しんだ山歩きは約8km、時間にすると4時間程度。最初から鎖場は回避する計画にすれば、のんびり花を楽しめる難易度低めのコースだと思います。
薬師の湯バスターミナル→あずまや山ハイキングコース道桜本入口→あずまや山押留コース入口→あずまや山つつじ新道入口→節分草自生地→あずまや山つつじ新道入口→福寿草園→展望休憩舎→福寿草→薬師の湯バスターミナル
アクセス1 西武鉄道 西武秩父駅へ<東京駅から所要1時間24分>
2025年3月現在、池袋駅6:50発の特急ちちぶ3号に乗ると8:14西武秩父駅に到着し、始発バスに乗ることができます。
西武鉄道の特急というと「ラビュー」のイメージで、「特急ちちぶって?」と思っていたのですが、ラビューは近年導入された新型の特急車両の名称で、走行する区間によって「ちちぶ」や「むさし」と、名前が変わるようです。
特急ちちぶは池袋を出発し、所沢や飯能を通って西武秩父駅に到着します。

アクセス2 小鹿野町営バス 両神温泉薬師の湯へ<西武秩父駅から所要約50分>

今回乗るのは、小鹿野町営バス 西武秩父駅線。駅前のバスロータリー4番乗り場から乗車です。
8:20発の始発バスに乗ると9:09薬師の湯着。10:20発だと11:09薬師の湯着です。
全行程4時間程度なので、10:20発のバスでも大丈夫。
バスの中で節分草園のチラシと、四阿屋山のマップを入手しました。


見どころ① 堂上節分草園
薬師の湯から堂上節分草園へ

薬師の湯でトイレを済ませて、堂上節分草園にまずは向かいます。ひたすら舗装路を40分歩きました。距離にすると3kmほど。


節分草園に向けての看板を発見。案内標識も。

奥の山がかっこいい。畑の花に春を感じます。



つつじ新道の登山口はひとまず通過し、舗装路を直進。案内は十分にあり、道に迷う心配はありません。

ここまで来れば、あと少し。

民家の脇に咲くフクジュソウ。

節分草園の駐車場が見えてきました。

光に当たるセツブンソウがひょっこり見えて、ワクワク感が高まります。

堂上節分草園

節分草園に到着です。料金所で500円支払い、入園です。料金所の横には、地元の特産品が売られていました。きっとこの辺りの地元の方々で毎年運営しているんだろうなと感じて、ほっこり。

セツブンソウだけでなく、アズマイチゲやザゼンソウも見られるようです。(残念ながら、今回はアズマイチゲは見つけられませんでした。)

入った瞬間びっくり!一面にものすごい数のセツブンソウが咲いています。


小さな白い可憐な花はまるで妖精のよう。あちこちを向いて咲き、風にゆられる姿は妖精がダンスをしているようにも見えました。

散策路の近くにもたくさん咲いているので、想定以上に近くで見ることができます。一応、中望遠のレンズも持ってきましたが、なくてもセツブンソウは撮れます。


そして、ありました!ザゼンソウ。独特の形が、ミズバショウに似ています。


斜面にもびっしりセツブンソウが咲いています。色が淡いので写真だとよくわからないですね。



中央の青紫を囲む黄色と、その周りにふんわり広がる白い花びらがかわいくてかわいくて、実物を見てさらに大好きになりました。こういうワンピースあるよなー、小さな女の子が着てたらかわいいだろうなってそんなことが頭に浮かびました。
写真目的でここを訪れたら、少なくとも半日は楽しめそう。下山時刻が遅くならないように30分ほどで引き上げます。
つつじ新道で四阿屋山山頂へ向かう
登山口から鎖場へ

さあ、来た道を戻って、やっと登山開始。
《このハイキング道は中腹から上級者コースになります。事故・遭難に注意》
気を引き締めます。
序盤からなかなかの急登です。
「両神村」が気になって調べたら、2005年に小鹿野町と合併して消滅してしまった村なんだそう。




明るいところに出れば、鎖場まであと少しです。


来ました!《これより上級者コース》の看板が登場。ここから「山居・福寿草園」の方に進むと鎖場・山頂を回避することができますが、ひとまず鎖場のある上級者コースに向かいます。

再びの警告。とりあえず試してみようということで、先へ進みました。

鎖場に挑戦
この鎖場の足元はさほど広くなく、後ろは崖になっています。
上部は垂直な岩壁になっていて、足や手をかけるところを見つけるのは難しそう。右側の段差に足をかけて…そのあとは腕と足で突っ張る感じで登ろうか…となんとなく登り方のアタリをつけました。

先行していた同行者がギブアップしたところで、選手交代。私が挑戦してみることに。
真下に立つと、ますます垂直さが際立ちます。

途中までは行けたのですが、鎖を握る手に力が入りづらく、万が一落下したときにさらに滑落する危険性もあると判断して、結局あきらめました。いつかもっと技術が上がったら、また挑戦してみます。
「無理をしない」、このスタイルが登山を趣味として長く続けられている理由かもしれません。
分岐手前に戻って迂回ルートへ
警告の出ていた看板のところまで戻り、山居・福寿草園方面へ迂回します。

なんとなく薄暗い道を進みます。

ここまで来ると、福寿草園までもうすぐです。青空が見えてきて、気分が上がります。

福寿草園周辺を散策
針葉樹に囲まれた登山道を抜けると、武甲山が見えました。

風でうまく撮れませんでしたが、かわいいお花も。桜の一種でしょうか。もっと植物に詳しくなりたいです。

山頂をあきらめたので、展望休憩舎まで登ってみることにしました。

確かに急です。この階段が、今回の登山で一番ハードでした。

上がってくると、武甲山が再び。いつか登りに行きたい山の一つです。

段々状になっている山肌がなんとも痛々しく感じてしまいます。

休憩舎は屋根のおかげか?日陰になっていて、春とはいえども寒さを感じました。
展望休憩舎から下ってくると、黄色とピンクのお花が見えてきました。青空と遠くの山と…最高に癒される景色です。



足元にはフクジュソウが咲いていました。


黄色い花をつけた木の正体はロウバイです。




人はほとんどおらず、ゆっくりのんびり楽しむことができました。

福寿草園から出ると、道の脇にミツマタの木がありました。つぼみはまだキュっと閉じていて、咲くのはもうしばらく先です。

ここから薬師の湯までは、河津桜などが見られる案内板に従って下ったつもりだったのですが、特に大きな見所は見当たらず。あっという間に下って、薬師の湯のバス停が見えてきました。
薬師の湯から西武秩父駅へ戻る


帰りのバスからは武甲山がよく見えました。
まとめ

セツブンソウを見たい!という願いと山歩きを楽しみたいという思いで計画した今回のハイキング。残念ながら登頂は果たせませんでしたが、セツブンソウのかわいさに癒され、やっぱり自然っていいなと心から思いました。
駅のホームからはまたまた武甲山がよく見えて、絶対登りに来るからねと決意し、帰路につきました。
まだまだ見たことのない花がたくさんで、次はサンカヨウを見てみたいなと思っていた、この頃。まさか、ゴールデンウィークに見ることができるとは。
ブログのアップが遅くなってしまっていますが、次回はサンカヨウもちょこっと見ることのできた佐渡島登山について書きたいと思います。