《1泊2日佐渡島登山①》東京から公共交通|花のアオネバ登山道~ドンデン高原ロッジ

アオネバ登山道に咲くニリンソウ

2025年5月、ゴールデンウィーク。春の佐渡島で、残雪と花の登山を楽しんできました。
今回の登山は、東京から夜行バスとフェリーを乗り継ぎ、公共交通機関だけでアクセスできるコース。
私は佐渡島1日目はのんびり観光し、2日目から1泊2日で登山をしました。向かったのは、島の中央に広がるドンデン高原と、その先の白雲台まで続く金北山縦走コースです。

長い記事になりそうなので、アクセスの方法や登山の記録、番外編として観光の様子などを3回に分けて綴ります。

シリーズ第1回では、東京からのアクセス方法と1日目の登山ルートをご紹介。
可憐な花々が咲くアオネバ登山口からスタートし、森と沢をたどってドンデン高原ロッジへ。昼食後には、尻立山まで足をのばし、湿原まで往復してきました。

島ならではの静けさと、予想をはるかに超えるたくさんの花々との出会いに、心がときめいた一日。
アプローチ方法や登山道の様子、ドンデン高原ロッジでの体験などを写真たっぷりでお届けします。

このシリーズ記事はこんな方におすすめします!

  • 東京から公共交通で行けるところで登山がしたい
  • 花や植物を楽しめる登山が好き
  • 佐渡島の登山や観光に興味がある
  • アオネバ登山口からドンデン山荘までの登山や金北山縦走について詳しく知りたい
  • ドンデン高原ロッジの宿泊情報を探している

1. 東京から佐渡島へ|夜行バスと船でのアクセス方法

今回の佐渡島登山も、東京から公共交通のみで行きました。登山者にとって、現地までの移動手段も重要なポイント。情報収集に苦労することも多いです。今回私が利用した方法を詳しくご紹介します。

①【夜行バス】東京駅から新潟駅へ(所要時間:約7時間)

東京駅鍛冶橋駐車場22:50発→新潟駅南口5:50着

仕事の後、職場の近くの銭湯で汗を流してから夜行バスに乗車です。

私が利用したのはWILLER EXPRESSのWG5152便。コモドシート利用で料金は10400円でした。
この便はリラックス・コモドシートというものが採用されています。私はゆったり寝られることを重視してコモドシートを取りました。席が一人ずつ独立していて、カーテンで自分の周りを仕切ることができます。隣は男性でしたが、全く気にならず。元々どこでも寝られるタイプではあるのですが、シートを深く倒すことができるので熟睡することができました。

注意したいのが、出発地である鍛冶橋駐車場です。ネットで調べると、東京駅八重洲南口から徒歩約5~7分と出てくるのですが、八重洲南口に着くまで時間がかかることが想定されます。

また、この駐車場がなかなかにカオスな状態。とにかく狭い敷地の中にたくさんの人がいます。みんな大きな荷物を持っているので、通路を歩くのも一苦労。通路で立ち止まらないように、スタッフの方が大きな声でアナウンスしているのですが、「じゃあどこに行けと?」というくらい人だらけです。案内板にて乗車位置が何番なのか調べる必要があるのですが、案内板を見るのも人を押しのけてやっとという感じ。あまりに早く到着すると後悔するので、駐車場の場所を確認したら少し離れた場所で待つようにしています。

②【路線バス】新潟駅から佐渡汽船へ(所要時間:約15分)

新潟駅バス乗り場表示

新潟駅(17番のりば)07:10発→佐渡汽船7:27着 新潟交通260円

バス停の場所は随所にわかりやすい大きな表示があります。まるで空港のような案内板です。

新潟駅バス乗り場案内板
新潟駅バス17番のりば佐渡汽船線

③【ジェットフォイル】新潟港から両津港へ(所要時間:約1時間10分)

新潟港切符売り場

新潟港07:55発→両津港9:02着 佐渡汽船7060円

佐渡島の両津港への船はジェットフォイルとカーフェリーがあります。私は早く着いて時間を有効に使いたかったので、行きはジェットフォイルにしました。料金や時刻表は時期によって変動があります。

新潟港~両津港ジェットフォイル

ちなみに帰りはカーフェリーの2等を利用しました。ジェットフォイルに比べると予約不要、値段が半額以下、時間は2倍以上。どちらも快適に乗ることができたので、そのときの予定や予算で決めるといいのではないかと思います。ジェットフォイルに先に乗っていたので、カーフェリーの速度にはややじれったい感じがしました…。

さどまる倶楽部から予約をすると佐渡汽船特別運賃料金の適用が受けられ、お得になることがあります。予約の仕方など下調べが必要です。

④【ライナーバス】両津港からアオネバ登山口へ(所要時間:約15分)

ドンデンライナー乗り場

両津港8:50発→アオネバ登山口9:05着 新潟交通佐渡1500円

新潟交通佐渡のライナーバスにはいくつか種類があり、今回は行きにドンデンライナー、帰りに金北山ライナーを使用しました。運行日が限られており、電話での事前予約が必要です。以前問い合わせをしたときに、ゴールデンウィーク中はすぐに埋まってしまうこともあると言われたので、予約開始に気づいてからすぐに予約しました。

帰りに乗車した金北山ライナーは、白雲台から両津港まで所要約40分。1700円でした。

2. アオネバ登山口から山歩きスタート|心躍る、花の登山道

アオネバ登山口にあるアオネバ渓谷の案内板

バス停から少し歩くと登山口に到着です。私は使用していませんがトイレがあるようでした。

このアオネバ渓谷の紹介文にはアオネバ渓谷の魅力が熱量高めの文章でつづられています。読んでいるとこれからはじまる登山への期待値が上がります。

今年の登山道の状況について注意点

注意事項として、今年の登山道の状況が記されていました。ドンデン高原ロッジの方も言っていましたが、今年は例年になく残雪が多かったようです。雪上の歩行に注意すること、登山靴やスパッツなどの装備を用意すること…念のためにチェーンスパイクを持ってきてよかった!

アオネバ登山口から歩き始めたときの風景

登山口からすぐに渓流沿いの道に入り、新緑に包まれた森の中を歩いていきます。

このアオネバ登山口からアオネバ十字路までは、多くの山野草に出会えることで有名です。

咲き始めたニリンソウ


登山口周辺にもニリンソウは咲いていましたが、イワカガミを見つけて一気にテンションが上がりました。

斜面に群生するイワカガミ
ピンクが濃いイワカガミ
ピンクが薄いイワカガミ

そこからは次々に現れる花々に興奮が止まりません。川の流れる音と花々に癒され、なかなか前に進めないほど立ち止まり、そのたびに写真を撮りました。風が強い日だったのでピントを合わせるのが難しかった!

例年、この時期は東京近郊の山も花がたくさん咲くので、「本格的に暑くなる前に近場の山を楽しみたい」と思い、奥多摩や丹沢、奥秩父などの山を多く登ってきました。
そんなわけで、なかなかタイミングが合わずにいたシラネアオイにもはじめて会えて感動。

シラネアオイのアップ
咲き始めたシラネアオイ
風に揺れるシラネアオイ

しかも、ひとつやふたつではないんです。次々に現れるシラネアオイ。花が大きいので、風になびく花びらが遠くからもよく見えました。

高山植物だけでなく、おなじみの花もたくさん咲いていました。スミレは種類が多いこともあってなかなか名前を覚えることができません。植物にもっと詳しくなりたい。

苔に咲くスミレ
チゴユリの花
登山道脇に広がるニリンソウ
元気に咲くスミレ
ニリンソウとシラネアオイ
エゾエンゴサク
苔に咲き、光が透けるスミレ
ニリンソウの群生
登山道脇に広がるニリンソウ
ヒトリシズカの花
ミヤマキケマンとニリンソウ
下向きの白い花

はじめましてのお花はほかにも。エンレイソウとユキワリソウ。

エンレイソウの花
ユキワリソウ

そしてサンカヨウ。見つけられたのはこれだけですし、花びらが透ける様子は見れなかったですが、登山道から少し離れたところにあるのを奇跡的に見つけられました!すれ違った登山者さんが「サンカヨウを見に来たのに、全くないですね。」と言っていたので、例年はもっと多く見られるのかもしれません。

遠くに見えるサンカヨウの花

この日残念だったのは、かなりどんよりした曇り空だったことでカタクリがほとんど閉じてしまっていたこと。咲いているカタクリのイメージしかなかったので、最初は「この花たくさんあるけどなんていう花かな?」と思ってしまったほどです。少し開いている花を見て、「カタクリだったんだ!」と気づきました。

閉じているカタクリ
少し開いているカタクリ

登山道は急登が続くところもありますが、危険なところありません。一か所梯子がありますが、安定していますし高度感もないので問題ありませんでした。
アオネバ十字路に近づくとだんだんと雪が現れます。そばにはフキノトウ。

沢の近くの登山道にかかる梯子
フキノトウ
雪の残る登山道
青い土壌

「アオネバ」の由来となっている、青くなった地質を随所で見ることができました。

3. アオネバ十字路を経てドンデン高原ロッジへ

アオネバ十字路では、1日目はドンデン高原ロッジ方面へ、2日目は金北山方面に進みます。
ドンデン高原ロッジまでは、雪解け後のお花が楽しめる夏道と、残雪期用の最短ルートで道が分かれています。残雪はあるけれど、お花が見られることを期待して夏道を選択。

アオネバ十字路表示
夏道か残雪期ルートの案内

すると大当たり!斜面にカタクリの群生です。もっと晴れていたら…と思わずにはいられませんでしたが、もう今日はカタクリはダメかと思っていたので、気分が上がりました。

斜面にたくさん咲くカタクリ

しかし、花があるのはほんの一部で、金北山縦走路の分岐に近づくにつれて雪が深くなっていきました。一部踏み抜かれている場所もあり、雪の状態を確かめながら慎重に歩きます。

金北山縦走路の分岐まで来ると、そこからドンデン高原ロッジは舗装路になります。ドンデン池方向に行き、ぐるっとまわって尻立山山頂、ドンデン高原ロッジへと行くつもりだったのですが、思いの外雪が多く、ひとまずロッジに行ってみることにしました。

金北山縦走路入口表示
ドンデン高原・ドンデン池の表示

4. ドンデン高原ロッジの宿泊情報

ドンデン高原ロッジでは、1人での宿泊ということで小さめの部屋を用意していただきました。1泊2食つきで16300円。チェックインは15時からです。

部屋は「狭いけど、おひとりなら問題ないと思います。」と予約時に言われていたのですが、デスクに、鏡までついていて、お陰さまでゆったり過ごせました。

トイレやお風呂は共用です。どちらもそれほど混雑することなく利用できました。ドライヤーは部屋で利用できるように、廊下に貸し出し用のものが用意されています。
水は水道水が飲めます。また、各自でお湯を沸かすことができるポットがたくさん用意されています。

今回は大部屋もあり、食事は自分で取る形式で、どちらかというと山小屋に近いスタイル。6月からは食事もフレンチになってリゾート仕様に変わるそうです。フレンチではなくても、豪華でたくさんの種類のお料理が並ぶ、楽しい夕食になりました。朝食も同様においしかったです。

ドンデン高原ロッジのビュッフェ形式の食事
ドンデン高原ロッジのビュッフェ形式の食事

私が案内されたのは窓から外を眺められる席。両津港と海をぼーっと眺めていただくお食事。最高のひとときです。

ドンデン高原ロッジから眺める両津港

食事の後は夕日色に染まる雲を、朝は雲の下から登る朝日を見つめながら、自分の好きなことに向き合える「今」に感謝しました。

5. 【おまけ】尻立山と湿原へ散策|ミズバショウに出会う

ドンデン高原ロッジ前から尻立山へ向かう標識
遠くに見える尻立山

ロッジに着いてからチェックインまで時間があったので、尻立山山頂と湿原方面に散策に行きました。登山道の入口には雪がたくさん積もっていて、本当にここが登山道かと最初は疑ってしまうほど。枝をかき分けながら踏み跡を探して歩きます。

厚い雲に覆われた登山道
厚い雲に覆われた気持ちのいい稜線

途中からは雪はないものの、かなりの強風に。遮るもののない、吹きっさらしの状態です。帽子の上からフードを被り、肌の露出を最小限にして先へ。山頂は特に風が強く、写真を急いで撮って湿原へ向かいました。

尻立山山頂、標高940m
尻立山山頂からの眺め
尻立山山頂から見える避難小屋、ドンデン池

遠くに見える赤い屋根は避難小屋、右端はドンデン池です。山頂を下っていくと、避難小屋の手前に湿原が広がっています。湿原の周りにはカタクリ。そして、湿原にはミズバショウがきれいに咲いていました。

避難小屋近くの湿原
湿原の周りに咲くカタクリ
湿原に咲くミズバショウ

6. まとめ|花に包まれた1日目、明日はいよいよ金北山縦走へ!

こうして1日目は無事終了。天候は曇りがちだったものの、想像以上の花の多さと島ならではの景色に、心が満たされる時間でした。

翌日はドンデン高原から、佐渡最高峰・金北山へと縦走します!

《1泊2日佐渡島登山②》へつづく

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